« 「アドルフ」 Benjamin Constant 訳:新庄嘉章 | メイン | 『小さな貝殻―母・森瑤子と私』 Maria Brackin »

2006年12月18日

●『米百俵』 山本有三

『米百俵』 山本有三

「正論を述べる事と、実行する事の、大きな違いを見て取れる」
★★★(3つ中)

文庫: 181ページ
出版社: 新潮社 (2001/06)
ASIN: 4101060118
サイズ (cm): 15 x 11
Amazon.co.jp ランキング: 本で303,170位

≪感想≫

 前半では、食べ物がなくて…ひもじくて…苦しくて…でも耐えて…という、庶民の苦しさをが見て取れる。とても「貧乏」なんていう自分が恥ずかしくなるくらい。
 その上での、米百俵のお説教が後半で待っている。

 ただ、米百俵の考えを伝えたいだけなら、もっと庶民の愚かさを強調すればいいのだろうけど、そうしていない。
 そのおかげで、今にもぶち切れそうな武士相手に、自分の信念を貫いたこの小林虎三郎という人のすごさが見て取れる。

 刃物を持ってすごまれて、その正論を貫けるだろうか?
 学を持ち、貫けるだけの正論を備えたい物だなぁ。と思ったのでした。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://intriguing.biz/cgi/mt/mt-tb.cgi/587

コメントする